長野 栄村 震度6強の地震から10年 復興を願う行事
2021年3月12日
東日本大震災から10年長野県北部の栄村で震度6強の揺れを観測する地震が起きてから、12日で10年です。村では復興を願う行事が開かれ、住民たちが10年の歩みを振り返るとともに、犠牲者を悼みました。
東日本大震災が発生した翌日の平成23年3月12日、栄村では震度6強の揺れを観測し、700棟近い住宅に被害が出たほか、避難生活によるストレスなどで3人が死亡し、災害関連死と認定されました。
地震から10年となる12日、村では復興を願う行事「復興灯明祭」が開かれ、会場には、住民などおよそ100人が集まりました。
この中で宮川幹雄村長が「この10年、さまざまな思いを胸に歩んできた。全国からの支援や励ましには勇気をもらい感謝している。課題はたくさんあるが、一歩一歩前を向いて村民と子どもたちと一緒に未来を作っていきたい」とあいさつしました。
そして、住民たちが黙とうをささげ犠牲になった人たちを悼みました。
また「きぼう」の文字が彫られた雪のモニュメントや子どもたちが作った灯籠に火がともされ、村のさらなる復興と今後の発展を祈りました。
地震のよくとしから行われてきた灯明祭は、担い手の高齢化や復興が進んだことなどから、今の形での開催はことしで最後だということです。
当時、自宅が半壊した70歳の女性は「自宅が直るまでは村を離れなければならず、いろいろとつらいこともあった10年ですが、子どもたちが希望を持てる村になってほしい」と話していました。
また、6年前に関東地方から移住してきた31歳の女性は「村に来る前は、災害のことは知りませんでした。子どもにも災害のことを伝えていきたいです」と話していました。
この10年間、村では、壊れた道路や橋の復旧などが進み、被害の爪痕は目立たなくなっています。
一方で、人口は25%減少し、基幹産業の農業の復興状況にも集落ごとに差が生じていて、災害からの復興を村全体の発展にどうつなげていくかが課題となっています。